LGの2025年モデルOLEDテレビが実現する、環境に優しい未来への一歩

私たちが毎日目にするテレビ。その裏側で、どれだけ環境に配慮されたものが作られているか、考えたことはありますか？韓国の大手家電メーカーLGが、2025年モデルのOLEDテレビで新たなエコ認証を取得したというニュースが話題になっています。高画質やスマート機能といった性能面だけでなく、「地球にやさしいテレビ」としての価値も高まっているようです。今回は、その取り組みの中身を少し掘り下げてみたいと思います。

LGの2025年モデルOLEDテレビは、イギリスのカーボントラストから「CO2削減」および「CO2排出量測定」の認証を受けました。これは製品の製造から使用、廃棄までのライフサイクル全体における環境負荷を評価するもので、5年連続でこの認証を得ているという点でも注目されます。特にOLED（有機EL）技術は、バックライトが不要な自発光方式であるため、部品点数が少なく、素材の使用量も抑えられるという特徴があります。

例えば、65インチのOLED evoモデルでは、同サイズの従来型液晶テレビと比べて約20％軽くなっており、プラスチック使用量も60％削減されています。この軽量化によって輸送時の燃料消費も抑えられ、結果としてCO2排出量も減少します。LGによれば、この取り組みにより2025年には約1万6,000トン分のプラスチック使用を削減できる見込みとのこと。また、製造と輸送に伴うCO2排出量も8万4,000トン削減されると予測されています。これは、およそ11,000面分のサッカー場に相当する30年物の松林が1年間に吸収するCO2量に匹敵するといいます。

さらに今回、新たにIntertek（インターテック）から「資源効率」認証も取得しました。これはリサイクル設計、有害物質の削減、修理しやすさ、省エネ性能など多角的な観点から評価されるものです。2024年にはテレビ製造時に使用するプラスチックのおよそ30％を再生素材に置き換えていたLGですが、2025年にはその割合を50％まで引き上げる計画で、年間7,700トン以上の廃プラスチックを再利用する見込みです。

こうした動きは決して突然始まったわけではありません。近年LGは、「より良い暮らしと地球環境への貢献」を掲げて持続可能性への取り組みを強化してきました。2023年にはAIによる省エネ機能を搭載したスマート家電シリーズを展開し始め、2024年には再生素材活用や梱包材削減などにも力を入れていました。今回の発表は、その延長線上にある自然なステップとも言えるでしょう。一方で、「資源効率」認証という新たな評価軸への対応を見ると、新しい基準にも積極的にチャレンジしている姿勢もうかがえます。

これからテレビを買い替えるとき、「画質」や「価格」だけでなく、「環境へのやさしさ」という視点も選択肢になるかもしれませんね。リビングでお気に入りの映画を見る時間。その背後には、小さくても確かな未来への配慮が込められている――そんなふうに感じられる製品が増えていくことは、とても心強いことだと思います。